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ある日私たちは。No.5

しばらくウロウロしていると、だんだん疲れてきた。それは彼女も同じだったそうで近くの人通りが少ない公園で一休みした。
「楽しいね~。こんな日が来るなんて…」
「うん。そうだね~。私も思ってなかったよ。君がこんなこと言うから」
「怒ってる?」
「ううん。怒ってないよ。意外と楽しいな~って思って」
「良かった」
…。向こうもこっちも話すことがなくなった。何となく黙った方がよさそうだった。なぜだか分からないけど私は彼女が喋り出すまで黙っていようと思った。
「あのね、暗い話していい?」
「ん?いいよ」
やっぱり。
「なんか、私嫌われてるみたい。部活で、物がなくなったり、無視されちゃったり」
「…」
「やっぱり私ってそういうタイプなんだよね。だから嫌われるんだよね」
最後の方は声が震えていた。横並びだから顔は見えないけど、何となく、分かる。彼女は下を向いて涙が出ているであろう顔を手で覆った。私はそんな彼女が落ち着くまで待った。
「ありがとう。話してくれて。分かったよ。…君、今、辛いか?」
「…うん」
「そっか。じゃあ、私が守ってあげる。大丈夫だよ」
私は彼女の肩をそっと抱いた。

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  • 今のところ上手くいってます。このままいけば大丈夫。
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