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ずどどど、かしゅり、ととんたん #7

「今日はどうしたの? お菓子を買いに来たの?」
「いっ、いえ。今日はおばさんにお礼を伝えたくて来ましたっ。遅くなってごめんなさいっ。親に寄り道とか禁止されてて、しかも最近塾に通い始めてなかなかこのお店に来れなかったんです。今日は塾もなくて、残業で親の帰りが遅いのでやっと来れました。あのとき、おばさんがいなかったら、わたしは犯罪者でした。本当にありがとうございますっっ」
 ウエハースちゃんは深く深く頭を下げた。
「いやいや、そんな大したことしてないわよ。あたしだって、ウエハースちゃんに犯罪者になってほしくないもの。でもどうしてあんなことをしたの? 手短に済ますからとりあえず中に入って。あ、あと、そこにいるのはわかってるのよ、飛鳥ちゃん! あなたも来なさい」
「はっ、はいっ」
 急に名前を呼ばれて、私まで上擦った声になった。


 ウエハースちゃん、改め、美結ちゃん。ここから一番近い小学校に通う四年生。
「わたしの親、すごく厳しい人で、お菓子とかゲームとかテレビとか禁止されてるんです。でも、わたしあのアニメがずっと大好きなんです。幼稚園の頃に観ていて、すっごく憧れだったんです。それで、どうしてもカードがほしくて、つい……わたしが許されないことをしたというのはわかっています。本当にごめんなさい」
 最後のほうは話している、というよりほとんど泣いているようだった。

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