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ずどどど、かしゅり、ととんたん #9

「あーーーーー!!」
 突然の大声に、私と美結ちゃんはびくりと肩を震わせた。何事か、と思ったが、私はすぐに京本さんが叫んだ理由がわかった。
「タイムセール、始まってる! もう手遅れですね」
 耳を澄ますと、微かに音が聞こえてくる。

 ぽりゅ。しゅぱ。ぺこり。

 誰かと誰かが戦う音。
「不戦敗とかありえない! 悔しいー」
 京本さんは、心底ショックを受けているようだった。
 美結ちゃんはといえば、ぽかーんと私たちの様子を眺めていた。
 その姿が何だかおかしくて、でもかわいくて、思わずクスクスと笑ってしまった。
「なぁーに、笑ってるの。ほら、もう帰るわよ。明日に備えるのよ!」

 愉快な音が溢れるこの小さな店で、私たちは時に笑い合い、時に戦う。
 そんなこの場所が、私は大好きなのだ。

  • 以上になります。連投申し訳ありません。
  • 少しでもほっこりして頂ければ幸いです。
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