「すきだよ、あいしてる」
「そんな簡単に愛してるなんて言うんじゃない」
「うん、ごめんね、あいしてる」
叩けば叩くほどほこりが出るように、言葉は生み出されていく。
昨日の、私が作ったブラウニーをおいしいと称した言葉は、戸惑いもなく信じられたのに。
どうしてなのでしょうね。
「あ、ながれぼし」
思わず空を見上げると、ただただ星が瞬いていた。
「ほんとうだよ、さっきひゅーっとながれていったんだ」
私が疑うような目をしていたのか、慌てたように弁明をした。
「そうなんだ、見たかった」
私はいともたやすくその言葉を信じた。
「すきだよ、あいしてる」
「簡単にそんなこと言うんじゃない」
叩けば叩くほどほこりが出るように、言葉は行く宛なく生み出される。
私が受け止めなかった言葉たちは、どこへ行くのかな。
どこかで泣いているのだろうか。
「ごめんね、あいしてる」
「もう、いいから」
それはとても贅沢者だ。
「わかったから、それ以上言わなくてもいい」
信じる信じないは一度置いておいて、受け止めておこう。
その先は保留だ、君の微笑んだ横顔にどうしても目が行くこともひっくるめて。