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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです。

今日は一年のうちに何回かある、校外に出かけてもいい日。
生徒も教師も、買い物や遊園地など、それぞれ思い思いの場所へ出かける。
今日は朝から校舎が静まり返っている。私は朝が苦手なので昼前まで寝ていた。
ご飯を食べようと思い部屋を出ると、私のものではない足音が聞こえた。
『まさか、この時間まで寝ていた訳ではないだろうな。』
“げっ。”と思い振り向くとやはり先生だった。
「先生は出かけないの?」 『今起きたからな。』
「先生も今起きたんかいっ!!笑」
『私は教師だからな。』
「も〜。あっ、あと私は出かける相手居ないから出かけないかな。だから今起きてもセーフ!!!」
『君も私も同じだな。ご飯は食べたか?』
「まだ一食も食べてないよ。」
『じゃあ、一緒に食べよう。その後、一緒に出かけよう。』  「えっ?いいの?」
『もちろん。 私も用事がないからな。』

私達は大広間に行くとご飯を食べ、それぞれ準備をし、校門に集合した。
「先生、どこ行く?」
『君は何処がいい?二人で行くんだ。好きなところを選ぶといい。』
「何処でもいいんだったら、水族館かな。先生は好き?」
『あぁ。 じゃあ、行こう、水族館。』
          ︙
「先生は何が好きなの?」  『……海月。』
「じゃあ海月、見に行こう。」
フワフワ流され、キレイにライトアップされた海月を見る先生の横顔は少し寂しそうだった。
「先生は何で海月が好きなの?」
『昔、好いていた人に似ている。あの頃が懐かしくなる。』  私は少し、はっとする。
「先生にも素敵な思い出があるんだね。」
『私はもう何年もずっと彼女の事を忘れられないよ。もう二度と逢う事は出来ないのだがな。』
「せんせ、甘酸っぱいんだね。」
ニカッと笑った私の心の内を先生が知る事はないだろう。
「もう見終わったし、帰ろっか。」
『そうだな。』
“楽しかった”と物語る先生の笑顔が私の胸を締め付ける。
「きっと私には無い物を持っていらっしゃる方なのね。」私は立ち止まってそう呟いた。
『何か言ったか?』
「いいや、何も言ってないよ!今日の夜ご飯何かなって思って。」
『早く帰って確かめよう。さぁ、おいで。』
先生の元へ駆け寄る。
『さぁ、行こう。』

  • 二人の秘密
  • 長文すみません。
  • 読んで下さった方ありがとうございます。
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