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非現実ーおとぎ話ってそういうものー ④

実は、ヘンリーは隣の国の王子さまでした。もうそろそろ、好きなひとを見つけて結婚しないといけない年ごろだったので、未来の奥さんを探しに、この国へやってきていたのです。
ヘンリーが王子さまだということを、王さまとお妃さまだけは知っていました。知っていたのに、娘たちにはあえて知らせずにいたのです。そのほうが、ヘンリーに1番ふさわしい、好きなひとを選んでもらえると思ったからです。ヘンリーは、もし3人のお姫さまの誰も好きにならなかったら、他の国へ好きなひとを探しに行くつもりでした。けれど、その必要はなさそうでした。
ヘンリーとリズは少しずつ仲良くなっていました。2人は家庭教師の日でないときにも、会って遊ぶようになりました。休みの日にはお屋敷の近くの森へ木いちごを摘みに行ったり、馬にのって草原を駆け回ったりもするようになりました。
そうやってヘンリーと遊びながらも、リズは人びとのためにつくすことを忘れませんでした。ヘンリーはそうしたリズの活動にも興味をもち、彼女についていくようになりました。リズと行動を共にするうちに、ヘンリーは国民からもとても好かれるようになりました。
リズもとても優しくて爽やかなヘンリーに惹かれはじめていました。でもリズは恋というものを知らなかったので、自分の胸のうちにある気持ちがなんなのかはわかっていませんでした。
それでも確かに、リズとヘンリーは惹かれあっていました。こうして2人の仲は、ますます深まっていったのです。

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