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非現実ーおとぎ話ってそういうものー ⑤

そんな2人のことを、ローズとリリーはもちろんよく思っていませんでした。とくにリズに対して、とても怒っていました。2人はいろんな方法でヘンリーとリズを邪魔しようとしましたし、リズにもたくさんの嫌がらせをしました。リズはとても優しいですから、なにかの間違いだと思ってとくに気にせず暮らしていました 。でもヘンリーは2人のいやがらせに気づいていました。そして、そのことをヘンリーが知らないと思ってローズとリリーが近づいてきていることにも。
王さまとお妃さまももちろん気づいていました。2人はリズとヘンリーがせっかく結ばれそうなのに邪魔をさせるわけにはいかないと、ローズとリリーを遠い田舎の別荘にしばらく泊まらせることにしました。素敵な男性方とのパーティーが毎晩あると聞かされた2人は、喜び勇んで出かけていきました。
さあ、これでヘンリーとリズの邪魔をする者はいなくなりました。2人はこれから、相手の良いところや悪いところを知り、長い年月をかけて受け入れあっていくでしょう。そしていつの日か本当に夫婦になるかもしれません。もしならなくとも、2人ならお互いをいいパートナーとして、生涯付き合っていけるでしょう。
誰もが結婚するだろうと思っていたカップルが破局するように、一生の友だちだと思っていたひとといつしか疎遠になってしまうように、先のことなんて誰にもわかりません。
けれど、願わくばすべてのひとが、そのひとだけの幸せで満たされていますように。

  • 長編小説
  • 完結!
  • ありがとうございました
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