今日はなんとなくだがいつものようにお気に入りの窓がある廊下へと向かっていた。
いつもは私が先にいるが、今日は先客がいた。
「先生??今日は用事ないのにいるんだね、珍しい。」
『あぁ。君が見ている景色を見たくなってな。』
「結構いいでしょ?ここ。」
私は先生の隣で、窓に手をつく。
『君がお気に入りにしている意味がわかったよ(笑)。』
「先生、何かあった??」
『何を言ってる?(笑)何もないさ(笑)。』
先生は誤魔化すかのように笑う。
「そっか〜。じゃあ、私の話聞いてもらおうかな〜。」
『もちろん。何だ??』
「あっ。1つ約束。途中で口挟まないでよね!」
私は先生を見ていたずらに笑う。
『あぁ、わかったよ。保証はできないが。』
「じゃあ、いくよ?」
『あぁ。』
「先生にはね、もう愛着しかないの(笑)。初めはね、嫌な奴って見てた所も、今となってはもう、あぁ〜好きだなぁ〜って見てる。こんなにも愛おしくなる人なんだなぁ〜って(笑)。先生、自暴自棄になってたでしょ?でも、その事憎めないな〜って(笑)。なんて素敵な人なんだろうって。もう好きすぎて心臓持たないよ(笑)。あっ、好きって先生としてだからね〜?(笑)。」
言いたい事を放った後に先生を見ると、頬から涙が伝っていた。
先生が何を思って何に悩んでいるかなんて実際にはわからないけど、一度は伝えておきたかった事だ。
「だからね、先生の事だけは信用してるの。先生、これからもよろしくね。」
『何で今、それを言うんだ?(笑)』
先生は涙を隠して笑う。
「なんとな〜く、なんとなく言いたくなっただけ〜。」
『ありがとう。ここに来て良かったよ。』
「先生、悩む前にここ来たらいいよ。私はいつでもここにいるから。」
『言っただろう?悩んでないさ(笑)。』
先生は嘘が下手くそだ。
私の言ったことが少しでも先生に届いていれば私の出番は終わりだ。
「私は先生の事見てるからね(笑)。」
そう言ったとき、春の温かい風が二人を包み込んだ。
テスト頑張ってな!