好きでもきらいでもなかった向日葵が思い出を抱えて俯く。あとは視界に入ったつま先の方向へ走っていけばいい。夏の生まれ変わりを信じて、その指輪もピアスも外して。もうあなたの瞳は深く澄んでいる。野暮なことは、訊かないから。屋根から落ちる雨。次の、つぎの雫が、跳ねたら。