窓に頬をよせて鑑賞する
自然が創った ストップ・モーション
白いガウンを羽織った山々
遠くを流れてゆきます
雪どけ水は木立を震わせ
冬枯れにさよならを告げたら
鉄橋の先は長いトンネル
窓は車内を映します
冷めきった紅茶、
乾いたサンドイッチ、
旧い友達が小説をめくる
多分あなたの愛した私は
もうどこにもいないでしょう
国境を渡る列車のように
この気持は関を越えた
冷めきった恋、
乾いた心、
旧い友達がアクビをする
冷めきった紅茶、
乾いたサンドイッチ、
旧い友達が寝息を立てる
...旧い友達は干渉しない
隣りで感傷に浸っても