「先生!!捕まえたっ!!」
私は先生を見つけると、右腕を後ろから引っ張った。
『おぉ、なんだ?今日の授業わからなかったか?』
「いや、全然わかったよ?なんで?」
『君がいつもと違う捕まえ方をするから聞いただけだ。』
「あれ?いつもこんな感じじゃないっけ?」
『掴まれたことはなかったはずだ。』
「あ、痛かった?」
『いいや、痛くはないさ。そんなことより、私に用事があったのだろう?』
「あぁ、そうそう。倫理についてなんだけどね。」
『倫理?』
「うん。私のクラスは選択科目で成り立ってるでしょ?だから、その選択科目のせいで倫理の授業が受けられないの。」
『そうだったな。選択科目のせいで、私も君と授業ではなかなか会えないのだったな。』
「別に選択したくて、選択したわけじゃないよ。やりたくないものをやってる。嫌だって言ったら、学校辞めて働けって言われるし。やりたいことできないのにここにいる意味は、先生に逢えるっていうそれだけよ(笑)。」
『そうか。』
「そう。それでね、先生に倫理を教えてほしいの。」
『私は倫理の担当ではないが?』
「でもそういうの得意でしょ?」
『あぁ。確かに。教えられなくもない。』
「先生。約束ね。放課後、先生の空いてるときに授業してよ(笑)。」
『もちろんだ(笑)。』
「そういう先生大好きよ(笑)。じゃあ、また後でね(笑)。」
『待て。』
先生は次の授業に行こうとした私を呼び止める。
「何??」
『辛くなったら、またおいで。いつでも私は待ってる。いつもお互いがお互いを必要としている(笑)。』
「知ってる(笑)。私もこの間、先生の事待ってるって言った気がする(笑)。じゃあ、授業始まっちゃうから行くね!!」
『あぁ。』
「私、先生の事は大好きだよ(笑)。」
イタズラに笑うと教室の方向に足を向ける。
次の授業は選択科目。
先生の笑顔が、私をそっと救ってくれる。
もう少しだけ頑張ろう。
そう決意して教室の扉を開けた。
最近、この「二人の秘密」シリーズを読んでいると、無性にファンアートを描きたくなってくるんですよね…
もし描けたら生放送教室にFAXで送って発表してみたいところ(Twitterは今のところやっていないので無理)(*^^*)