お気に入りの窓がある所に行こうと廊下を歩いていると後ろから左手首を掴まれた。
私は驚いて振り返ると、そこには先生がいた。
「っ先生!!びっくりした…。どうしたの急に?…ん?」
私は先生の顔を覗き込む。
「今からいつもの所行くけど、一緒に来る?」
『あぁ。』
私はニコッと笑って、先生の手を引き駆け出す。
窓の前につくと、くるっと振り返る。
「到着!」
そう言うと、またニコッと笑う。
『今日は私も座っていいか?』
「何で聞くのよ(笑)?もちろんだよ。一緒に座ろ?」
私達は窓の外に足を出して座る。
「何か聞いてほしい事があったんでしょ?」
『聞いてほしいというか…。普通の話をしたくてな。』
「世間話とか?」
『あぁ。』
「先生は相変わらず可愛いねぇ(笑)!」
『別に可愛くはないと思うが…?』
「いいや、可愛い!!」
『…ありがとう(笑)。』
「あっ、照れたっ!!!可愛いっ…。」
私はニコニコ笑みを浮かべながらマジマジと先生の顔を見る。
『そんなに見ないでくれっ!』
先生はそう言いながら手のひらをこちらに向けて顔を隠す。
「ちょっとは元気になったじゃん。先生(笑)。」
今度はイタズラにニコニコ笑った。
『やはり、君には上手に隠せないな(笑)。』
「先生、隠す気なかったくせに(笑)。」
私はケラケラともう一度笑った。
すると先生が口を開いた。
『バレたか(笑)。』
先生は本当に隠す気はなかった。
それは、皆にバレないように私にSOSを送ってくれていたからだ。
私は、先生が真っ直ぐな目でSOSも、助け舟も出してくれることをとても嬉しく思っていた。
そして、今日も私の前だけで笑顔を見せてくれる先生にとても感謝している。
私達は二人でいつまでも笑い続けた。