廊下を歩いていると、前の方に先生がいたので駆け出す。
「先生!」
『あぁ。』
そう言うと先生は振り返り、ニコッと笑う。
「あれ?先生、その足どうしたの?」
『えっ?』
「そこ。いつ怪我したの?」
『……薬学の研究をしていたとき…か?』
「え?そんなに血、出てズボンも破れてるのに気付かなかったの?」
『…あぁ。』
「もう、しょうがないな〜。こっち来て。先生の部屋行くよ!」
私は先生の手を引き、部屋へ連行する。
『気にし始めたら、なんか痛くなって来た。』
「先生バカだなぁ〜、もう!早く行くよ!」
部屋につくと私は、救急箱を探した。
「先生、薬学するのはいいけど、もうちょっと道具片付けてよね!よくわからないものが多すぎる!!」
『だが、こっちでも使うものばかりだぞ。理科の授業で使った事あるだろう?』
「あるよ。ビーカーに…メスシリンダー?」
『それは試験管だ。』
「今それはいいから!」
『いや、君が言ったのだろう(笑)?』
「確かにそうだけど(笑)。ほら、救急箱あったよ。」
『ありがとう。』
「ほらほら、座って!」
『仰せのままに(笑)。』
「よろしい(笑)!」
私は先生の手当をする。
「先生は時々、集中すると周りが見えなくなるから気をつけないとね!」
『そうだな。熱中しすぎないように気をつけるよ。』
「まぁそういうおっちょこちょい?な先生が好きなんだけどね(笑)。」
『いじってるだろ?』
「いじってないよ(笑)!」
私は最期の仕上げに包帯を結ぶ。
「ほら、できた!!」
『命拾いしたな(笑)。ありがとう。』
「先生、大袈裟だから(笑)!」
私は救急箱を戻しながら言った。
「あっ。その代わり、指切りげんまんしよ?」
先生は小指を立てて私の前に差し出す。
「先生は無茶な事をしない!指切りげんまん嘘ついたら……。高級チョコレート奢らせる!指切った!」
『それは守らないとな(笑)。』
「楽しみにしてるからね(笑)。」
指切りをしたあと、少しの間笑っていた。
そして私は先生の部屋で、またキレイな魔法の薬学を見せてもらった。