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プロローグで詰んでいる。

筆を執る。

人生を語る。人生は物語である。
起伏の豊かなソレは多くの何者かを魅了し、起伏に乏しいくても、起伏が乏しいという事実が、
何者か達を魅了し得る物語になる。

けれど、誰もが魅了される物語を生きる者など、
何処にでも居ないのだ。
憧れたあの人は、持っていた。
何者かを魅了するソレを。

誰にでも見えない、誰にも見れた様な景色を、
描く事が出来なかった者たち。
プロローグで既に結果は決定された。

筆は静かに冷たい机で眠りにつく。

プロローグで詰んでいる。

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