君はいくつも愛の言葉を溢した
僕は数え切れない程の嘘を溢した
君はそれが「愛」だと言い張ったけど
僕は負けじとそれは「熱」だと言い張った
頬を伝う涙を
君は「雨」だと言ったけど
バレバレすぎて僕は思わず笑った
つられて君も笑ってくれるかな、
なんて思った僕がバカだった
握ってる手を離して
バイバイまた明日、って手を振ると
君のことも、自分の気持ちも
昨日の晩ごはんも、人の愛し方も
君が好きだと言ったカレーの作り方さえも
全部忘れちゃったりして
すると泣けなくなったりして
君の涙は僕の空っぽを浸したけど
その代わり君の内側は空っぽになった
貴方ががいるから泣くんだよと君は言う
君がいるから笑えるんだよと僕は言う
なんで、いつも
あの頃好きだった仕草が
煩わしく感じるのはなんでかな
僕が泣く時に君も泣いてくれる、なんて
なんてワガママだろう
抱きしめてる君を離して
おやすみ もう寝るよ、って呟くと
急に日が昇って朝になって
気付くと隣にいたはずの君も、
携帯電話も、読みかけの本も、
全て無くなっていたりして
初めから無かったことになってたりして
多分そうなってから気付くんだ
だから僕は怖いんだ
部屋の電気を消して暗くなると
何もかもなくなってしまいそうで
君を嫌いになるにはどうしたらいい?
君を嫌いになるにはどうしたらいい?
君を嫌いになるにはどうしたらいい?
この間にも僕は君をまた好きになる
自分の心臓の中にいる君に
僕は全く気づいていなかった
本当は君の血が流れていて欲しかった
だってそれなら失うはずもないから
でもそんなことはもう無理だから
僕はまた性懲りも無く
君の手に自分の手を重ねるんだ