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マイペースなサンタクロース~2話目~

極めつけは今日だ。英語の時間、課題をやってきていないのがバレておこられ、部活では動きが悪い、集中しろと先輩に注意され、些細なことで帰り道、友人とケンカし、そのまま別れた。こんな気分で帰ってきて、親からかけられた言葉が、
「お帰りなさい、碧。サンタさんへのお願い事、決まった?」
だ。その言葉自体になんの悪意もない。しかし、碧は"サンタ"という単語が出る度に消したい、忘れたい記憶があった。碧は、そんなことも知らない、自分をちゃんと見てくれていない親が嫌いだった。

小学校二年生の時、調度今くらいの時期だ。碧は、サンタがいるということをずっと信じていた。同級生とそういった話をしているときに言われた。
「「え、お前まだサンタなんて信じてんの?馬鹿じゃん!幼稚園児かよ!」」
小学生の碧は、そう言われたことがショックで、以来、サンタなんていないと、非現実的な事は信じないと言い聞かせてきた。
しかし、母の言葉。あまりにも子供扱いをし過ぎている。小学校二年生以来、欲しいと書いていないのにも関わらず置かれ続けているプレゼント。それは、本当にその時に欲しいプレゼントで。
(……くそっ…。)
幼い時の自分を見ているようで、本当に嫌だった。

続く

  • 書き込み遅くなりました。
  • 相も変わらず登場人物の少なさ(笑)
  • これから増えるので、お楽しみに!(笑)
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