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追憶

正直に言うとあの日をおぼえてはいなくて
ただいつからか
あのとき大変なことが起こったのだと
知っていた

はかりしれない恐怖と絶望と、とか
ご冥福をお祈りします
なんて言うことは簡単で
傍観者で勝手に区切りをつけて
ほんとうはどれほどかもわからずに

あの日から10年経った日は
特別な感慨なくいつもの日が過ぎて
それから10日経った今になって
ぐらぐらと
あの日が重さを伴って迫ってくるのです

10日前の10年前
いつもの日を断ち切られたすべてのひとが
いつかしあわせであったらいいと
願います

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