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歩く深海魚

旧くなった春をいつまでも
タオルケットみたいに抱いて眠る
干からびた海を歩く
鯨の骨に腰をおろして
味のしない月を一口かじる
黄昏れられる景色はどこにもない
文明も恋も砂がすべて呑み込んで
古くなったタオルケット
母のぬくもりとおもかげ抱いて
眠る、春はまた新しく訪れる

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