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春に蛹は夢を見る

ぞくりとする孤独に苛まれた夜や
生と死についてぐるぐると考えたことや
部室の隅っこの落書きや
寄り道や
海岸で君が僕の足跡の大きさを笑ったことや

退屈な授業の合間に見上げた青い空も
どこが良いのかさっぱり分からない流行りの歌も
夜中にこっそり食べたカップ麺も
僕を思い通りにできると思っているあの人達も
帰り道に並んだ影の愛しさも

後悔とか 絶望とか 憎しみとか 怒りとか
希望とか 悲嘆とか 喜びとか 期待とか
愛とか 夢とか

そういう色々が蛹の中
どろどろの細胞と溶け合って 混ざりあって
僕は僕になっていくのだろう

やがて立ち現れる継ぎ接ぎだらけのその姿が
どれほど化け物じみていたって
僕だけは僕を愛せますように

出来れば抱きしめて貰えますように

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