毎晩怒鳴り声が響く
机を思いきり叩く音
空気が震動するような、それでいて張り詰めた家
ロクに睡眠も取れず、食事もできない
それが僕の日常だった
あの時、僕の中で何かが壊れた音が聞こえたんだ
精神がすっと凍りつくような
凍てついた思考が家を捨てる選択肢を容易に取らせた
古い考え方をしている家における僕の価値を逆手に取った大胆な、それでいて緻密な復讐
もう僕は家には戻らない
連絡も取らない
それが不思議ではない世界に飛び込んだ
これもすべての計画通り
なに一つ踏み外さず進んできた
親はその内気付くだろう
僕の復讐に
けどもう遅い
1年前のあの日
僕が家の扉を閉めたときに全てが始まって終わっているのだから