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皐月

幾重にもつらなる
チューリップの波間に
あの人を思い出した私は
一年前のように
電話をかけなかった

この身をさらさなければ
得られないと思ってた
だけども今
心は穏やかなまま
暗闇の中、光らない石を探せる

頬で感じる
つめたいようなぬるい風
目を閉じたままのピンク色
小さな声のことばは
未だ聴こえない

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