私はいつもの窓辺で歌を口ずさんでいた。
“なんの歌?”
先生と一緒に来たアルが答える。
「教えない(笑)。」
『教えてあげてもいいんじゃないか(笑)?』
先生は笑いながら隣に座る。
アルも座ろうとしたので引き止める。
「待って、先生の隣は私!!って言うことは私が真ん中!!」
“え〜、だめなの?”
「そりゃそうでしょ?ここまで来るのに先生のこと、独り占めしてたんだから。」
『まぁまぁ(笑)、アルは何人かの生徒に話しかかられてて、私は先に歩いていたよ?』
「それはそれで腹立つからだめなの!」
“どこが!?腹立つ要素あった??”
「先生よりモテてる。」
私がそう言ったとき、先生は吹き出して笑った。
「先生?」
『あ〜、ごめんごめん。君たち、仲良くなったな(笑)。』
「どこが!?」
『喧嘩するほど仲が良いとか言うだろ(笑)?』
“確かに言いますけど……。”
「なんかさ、今日はただ、3人でいちゃいちゃしてるだけじゃない?(笑)」
“はっ?いちゃいちゃ?”
「そう。先生を二人が取り合う三角関係?的なの(笑)。」
『確かに、ありそうだ(笑)。』
「まぁ、本当にアルが嫌いなわけじゃないの。」
『私はわかっているよ。』
「さすが先生(笑)。」
“なんか、僕が負ける三角関係のパターンですね。”
私と先生は、しょんぼりしたアルを見て笑った。
私達は同級生のようだった。
そして意地悪な事を言いながらもお互いの事を思い合っていた。
私は先生とアルになんの歌を歌っていたのか教えると、続きを歌うことにした。