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神様が与えた私たちへの罪 No.5

「あのさぁ、この前、『新型コロナウイルス』っていうのが流行ってるって言ったじゃん」
「うん。中国だっけ?」
「そう。それ、結構ヤバいらしい」
「え?」
「すごく、危ない状態なんだって」
「どういうこと?」
「中国とかで、ものすごい数の感染者が出てるんだって。日本にもちょっとずつ来てるって」
珍しく深刻な顔をしている。いつもはこんな表情を見ない。最近テレビ自体あまり見ていないから何も知らなかった。
「どういう病気?なの。死ぬの」
「うん。熱が出たり、まぁ簡単に言うと風邪の症状。死者も出てるって」
風邪で死ぬ?風邪でヤバいことに?
「ちょっと、ニュース観てよ。やってると思うから」
「うん」
帰ったらニュースを観てみることにした。少しだけ、心に闇がかかった。
それは、不安や心配と呼ばれるものだった。

  • 小説執筆部
  • 神様が与えた私たちへの罪
  • あまり当時のことは覚えていないので間違いはあります
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