「もーいーかい」なんて急かさないで
まだ出来上がってすらいないんだ
もうちょっと手の中で温めて
翼が天に届くまで
愛せるまで
もう少し待ってよ
こちとら生き急いでんだ
アンタの都合なんて知らないんだ
時代遅れのガラクタなんて捨てて
今日までの世界を脱ごう
肩なんて叩かずとも
気づいているよ
針金だけになった翼が
崩れて塵になる前に
咲いてしまえば
あとは枯れるだけだから
だからさ、もうちょっと美しく
もがいてよ、この星の地上で
黄色い砂が僕らの肺を蝕む前に
まだだってば
雨を待つんだよ
溶けるのを待つんだよ
消えて崩れるのを待つんだよ
辻褄合わせで生まれた僕らでも
「ここにいるよ」って
小声でも叫んでみたいんだよ