放課後、日が沈みはじめる時間帯。 忘れ物を思い出したので、友達を1人連れ、4階までの階段を登る。 誰もいない階段。 互い違いに響く2人の足音。 それはまるで、いつも生徒で溢れかえって息苦しかった校舎が、息を吹き返すようで。 絡まったチェーンから解き放たれたようで。 ありがとうと言われた気がして。 「お疲れ様」と心の中で会話した。