ゆっくりと走り出した列車に、
飲みかけのコーヒー
まだ読みかけの文庫本を片手に
窓の外から流れ込む夜風を指でなぞる
答えなんてないのに、
毎日の中に答えを求めて、
いつの間にか窮屈になった靴は
捨てられないままで。
ぐるぐる巡る思考が、
自分の行き先をよく知ってるはずなのに。
羊を数えても眠れぬ夜は、
本の栞が切符になる
それじゃあ今夜は、
ふたご座流星群を観に行こう。
紙コップのコーヒーと、使い古したブックカバーの文庫本。
手提げ鞄一つで改札をふらりとくぐって、旅に出たくなりました。
イヤフォンもせず、ケータイも取り出さず、コーヒーが冷めるまでずっと窓の外眺めていれば、少しは自由になれるかな。