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夏夜風

吸い込んで、
吐き出す

夏の夜の風は重たくて
じっとりと喉を這って
肺壁にもたれかかって
眠るみたいに留まって

問いかけた君の言葉に
吐き出した微かな相槌
喉は上手く震えないで
ただ息を吐く音がした

沈黙。

夜風が這う。

そっちも暑いんだ、なんて言って
こもる熱を誤魔化したりして
暑いのはやだね、なんて言って
僕のことじゃないか

ただでさえ暑い夏の夜は
僕の吐息でますます熱を帯び
それが空に昇って雨でも降らせば
僕の頭も冷えるだろうか

青い夜は青さを増して
もうひとつ深い所へ
また沈んでいく
そこに僕は浮かんでいる

心許なく揺られている

  • 夏は夜、とはよく言ったもので
  • タイトルの読み方は人それぞれ
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