焦げ臭さを纏ったキッチンの空気が ぼくをすっかり包み込んでしまって 暴れまわる油たちにアブラカタブラ どうしたってこうしたって出来ない きみがいた頃の体温にもう戻れない 唸ったぼくを見上げてパチパチパチ 唐揚げは羽をはやして瞳を潤ませた