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続・小説版ソラミミ

その日以来先輩は僕のことをやけにイジるようになった。しかしそれもあくまで“先輩”としてでしかない。
そんないい雰囲気で最後の演奏会当日を迎えた。
演奏は良好、僕も緊張こそするけど先輩が前にいるだけですごい安心感。先生の指揮も心なしか感情的だ。全てが自分を後押ししている様だった。こんな楽しい時間は初めてだった。しかし演奏はいよいよ終盤…
それとは裏腹にみんなの音はかつてないほど響く。
終わりたくない…
反比例する心…
しかしアンコールが終わった…
会場からは惜しみない拍手が送られた。
達成感か、安堵か、泣いている部員もいた
まだだ…まだ僕は今日泣く訳にはいかない…

“いざ先輩に告るのだ!”

「先輩!最後にツーショット撮りましょうよ!」
お願い…心臓の音よ…今だけ収まって…
でも裏腹に先輩と近くなる度に音は大きくなる。
「またドキドキしてるでしょ.」
先輩はやっぱりズルい、この言葉も“先輩”でしかない…
でも、僕は…
「そりゃしますよ!僕、先輩のことずっと好きなんですから!」
そう言って思いっきり先輩に抱きついてシャッターを切った。
先輩と少し驚いてから一緒に笑顔になった。
でもこの言葉だけは勢いで言っちゃいけない気がした。
1年間も想い続けたんだ…
「先輩…今度は本気です…僕と付き合ってください…」
まるでマンガみたい…本番終わった高揚感のまま告るとか…でもあの音楽、心臓の音、楽器の音、弓の音、
全てが自分を守ってくれてる気がするから…
きっと今なんだ…今しか…

「気づかないわけないじゃん…━━━━━━━……」

この時の言葉だけはどこか遠く聞こえた。
きっと初めて先輩が“先輩”じゃなく発した言葉だったから

後輩を持って気づいた
“先輩”を捨てたら包んでたベールは剥がれてしまう
それは時としてただ打ち解けるより残酷だ

だからもう一度“先輩“の言葉で…
「私もずっと好きだったから…」
そう聞きたい…

空耳かな、先輩の声がした
あぁそうか、僕も引退したんだ…

「先輩…あの時はごめん…」
ほら見て、“先輩“みたいに少しはズルくなったでしょ

  • リクエストありがとうございます
  • 長めと思ったら入り切らなかった(笑)
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  • すごいですね!
    私は恋愛ものはあんまり上手く書けないです…

    これって、実話ですか?

    そして、私の拙い文を褒めてくれてありがとうございました

  • あと、また率直な感想
    「甘酸っぺーーーーーーーーー‼︎‼︎」

    素敵です❣️

  • あ、オケだったんですね!
    すごい!

    私、小5・6で大恋愛をしたのでwww
    告るの緊張しますけど、その後ずっと「好き好き」言ってたので、
    もう、あのドキドキが感じられない…
    時既に遅し。

    とっても甘酸っぱいお話し、ありがたいです。
    キュンを定期的に補給しなくちゃなんないから!