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〜二人の秘密〜長文なので時間があるときに読んで下さると嬉しいです!

『何見てるんだ?』
いつもの窓辺で、窓を閉めたまま外を必死に見ていると後ろから先生が声をかけた。

「ねぇ、見て。雨が止んだから燕が飛んでるの。」
『燕?』
「うん、ほら雨で虫の羽が駄目になってるから、低空飛行してる。」
『それを一生懸命目で追っていたのか(笑)?』
「うん(笑)、だって可愛いんだもん(笑)。」
『何羽くらいいるんだろうな?』
「う〜ん、屋根の死角に入ったりしてわかんないけど、4、5羽くらい。」
『それは、キョロキョロするな(笑)。』
先生は体を窓に少し傾けて座る。

「私、生まれ変わるなら鳥になりたい(笑)。」
『どうして?』
「この子達は狩をしてるだけだけど、とても優雅に見えるから。」
『確かに、燕は特に優雅に見えるな。』
「梟でもいいな〜。あ、鷹とか?」
『君のセンスがわからないよ(笑)。』
「え〜?そう?優雅に見える鳥を言ったつもりなんだけど。でもまぁ、渡り鳥がいいな(笑)。」
『なんで?』
「たくさん飛ばなきゃいけないけど、冒険できるじゃない?」
私は窓ガラスを2回、コンコンと指先で叩いた。

『君らしい考えではあるな(笑)。』
「とにかく、生まれ変わるなら空が飛べる方になりたい!!地を這う方じゃなくてね(笑)!」
私は先生の前に立ち振り向くとニカッと笑った。

『言い方に皮肉が入ってる気がするよ(笑)。』
「あ、また雨降りそうだよ?部屋に戻ろ?」
私は先生の手を引いて立たせると廊下を進んだ。

梟になれたら、先生に郵便を持ってこられるのになと考えていたことは私と貴方だけの秘密。

  • 二人の秘密
  • 読んで下さった方ありがとうございます!
  • 梟は今までの話読んでください。
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