市街地の中にぽつんと茂っている木々から見える
近代的な建築物が点在している場所がある。
私立棚峰大学。理工学部、文芸部、外国語学部
農学部等、様々な学部の校舎が24haの中に
たくさん建っている。
部活動も盛んで地方大会の頂きになった
回数は数知れず、全国大会出場の部活動も
幾つも輩出している。
大学の校舎付近には幾つも喫茶店や、
ファストフード店や、レストランがある。
工学部校舎付近にある純喫茶「常世」。
連日、学生が時間を潰したり、
レポートを書いたり店内は常に賑わっている。
ちょうど正午付近になり、いよいよ満席状態。
その一席の中に黄髪の青年が独りで佇んでいた。
「お待たせしました、常世ランチです。
ごゆっくりどうぞ。」
「はぁ、午後の講義だるいな、あぁかったりぃな」
「お客様すみません、満席状態なので
相席でもよろしいですか?」
「あ、あぁ、はい」
「大変申し訳ありません」
「すみません」
「四人がけだったので申し訳ないなって思ってた
ところだったので」
「あの、お名前聞いても?」
「混村晶沌」
「私は兼崎藍可です」
「校舎はあそこですか?」
「そうです……」
「そうなんですね~そっか~工学部なんだ」
「かくいう貴方は?」
「外語学部です~」
「あっそろそろ講義があるんでどうぞごゆっくり」
「あっ、連絡先を~」
(あぁ、うるさかったなぁ、コーヒーが……)
そう言って席を離れ、会計を済ませ、
喫茶店を後にした、工学部1年
混村晶沌(まぜむらしょうと)は、
黄髪に黄緑のニット帽、そしてオッドアイと
少し派手な格好をした少し根暗な性格をした青年。
彼は工学部校舎の中に入り、
厳重に警備された重厚な鉄の扉の中に
入っていった。その扉付近には立ち入り禁止と
書かれた扉があった。白衣を着た研究員と
おぼしき人物が扉の前で数人が待ち構えていた。
そして彼は鉄の扉の中にあるラボに入っていった……