雨が降ってきた。それもすごい量。実際に見てはいないが水たまりだらけだろう。
「ねぇ、おねえちゃん。そと」
「ん?外?行くの?」
「ううん。あめ、ふってないの」
「え?めちゃくちゃ降ってるよ」
妹にんっと手を差し伸べられて手をつなぐ。
私の部屋の窓のカーテンを開けると、そこに青空があった。
雨は、降っていなかった。
「なに?これ」
「わかんない」
いかにも雷が落ちてきそうな雰囲気なのに、目の前の風景は晴天。もちろんスピーカーなどで雨の音は流していない。
不思議なその雨は1週間ほど続いた。
真相は謎のままだ。