滴り落ちる黒が
刹那僕の顔を映した
飲みかけのコーヒーを浴びた
桔梗の青が
あまりにも鮮やかで吐き気がした
明日はやってくるはずだった
まばたけば世界が終わるとしても
あるいはこの身が潰えるとしても
それでも明日を疑わなかった
変わらないものなんてない、と
僕らは知っているはずだった
それでも変わっていく君と街を
変わらない僕が嘆いた
投げ捨てようとした左手を止めて
空っぽのスチール缶をポケットにねじ込んで
濡れそぼる桔梗を踏みつけて
たちまち襲い来る後悔を右腕に抱えた
アスファルトに潰れた青は
それでもなお鮮やかだった