彼女はここから
靴を置き去りにして
深い眠りへとついていったのよ
あの彼女の笑顔も声も姿も
もう何一つ戻らないのね
彼女の書いた手紙にある
たくさんの「ありがとう」は
わたしたちの心を強く揺さぶって
やり場のない後悔を与えたわ
きっと彼女は今も
空で泣いているのね
ずっと止まない雨は冷たくて
わたしたちに打ち付ける
今も
彼女はここから
最期に何を思ったのかしら
このちっぽけな世界に
何を与えて去っていったの
ねぇ、、、
その後も冷たい雨が降り
その雨が花を育て
やがて美しく咲いた
小さな小さな白い花
彼女の可憐な笑顔のようだった