赤外線センサーが無数に張り巡らされた極狭 き空間に一筋の光が差した。それは希望か決 戦の合図か。ただじっと次の展開を待つ。武 士にでもなった気分だ。光が消えた。俺は次 の行動として、前進を選択した。光の追跡は 大きな判断ミスになるか。暗中に留まるのは 逆に危険と言い聞かす。光源だった場所に回 転扉を見つけた。声音が微かに聞こえる。以 前耳にした記憶が存在する。ある秋風冷たい 夜長。記憶に浸る間もなく意識は消失した。