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緋い魔女(再掲) Act 1

「おぉ、よくぞいらっしゃいました。ささ、な…」
出迎えの挨拶を無視するように、赤毛の少女は屋敷の大きな扉を通り抜ける。
「あぁ、そんなに急がなくても…」
出迎えた屋敷の主は慌てて制止しようとしたが、少女は気にも留めずに屋敷内へと入っていった。
早歩きする少女は振り向くことなく呟く。
「…別に、まだ依頼を受けるとは言ってないのだけど」
「えぇ、それは分かっています」
少女を追いかけながら屋敷の主人は答える。
「ただ、わざわざこんな所まで…」
屋敷の主人はつらつらと長話を始めたが、少女は気にすることなく歩き続けた。
そうこうする内に、2人は屋敷の広間に辿り着いた。
「…まぁ、とりあえずそこの椅子にでも腰かけてください。詳しい話は座ってからしましょう」
屋敷の主人はそう言って少女に椅子を勧めると、使用人たちにお茶を出すよう命じた。
少女が座った様子を見てから屋敷の主人は椅子に腰かけると、要件を話し始めた。
「…では依頼の話を。ここ暫く、領内では動物の不審死が相次いでおります。最初は森にいる鹿なんかが死んでいたりしていたのですが、やがて家畜にも被害が出るようになり…」
少女は屋敷の主人の話を聞きながら、周囲を見回していた。

  • 緋い魔女
  • 文章にかなり修正を入れているのに我ながらビックリ
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