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緋い魔女(再掲) Act 5

「貴方も太刀打ち出来なかったのよね?」
少女に尋ねられて、屋敷の主人は恥ずかしげに、まぁ、一応…と答えた。
そう、と少女は答えると、突然屋敷の主人を真っ直ぐに見据えた。
そしてこう言った。
「…その依頼、私に任せて頂戴」
さらに少女はニコリと笑って付け足す。
「その代わり、報酬は”こいつ”にしてくれないかしら?」
「…へ?」
屋敷の主人は想定外の言葉にポカンとする。
「別にいいでしょう? 使ってないようだし…それに、依頼にはそれ相応の報酬が必要でしょう?」
私みたいな”お雇い魔術師”はそうやって生きているのよ、と少女は笑いかけた。
「駄目かしら?」
少女にそう聞かれて、屋敷の主人は暫くの間考えた後、ゆっくりと口を開いた。
「…では、よろしくお願いします」
それを聞いて、少女は目を細めた。

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