「…そう、じゃあ領内の案内をお願いできるかしら?」
精霊の出没場所とか被害を受けた場所とかね、と少女は言いつつ、さらに付け足した。
「あとこいつを借りるわ」
あ、はい…と答えてから、屋敷の主人はえ?と拍子抜けする。
「…この使い魔を借りるのよ」
少女は黒い使い魔を手で指し示す。
「便利な”武器”になり得るのに、使わずにいるのは勿体無いでしょう?」
別に持ち逃げする訳じゃないから安心なさい、と少女は微笑む。
そして広間の出入り口の方へ歩き出した。
「あぁ、ちょっとお待ち下さい」
屋敷の主人も少女の後を追う。
少女は気にすることなく進んだが、ふと立ち止まって振り向いた。
「…”お前”も行くわよ」
”お前”と呼ばれた使い魔は、はっとしたように顔を上げると、面倒臭そうな顔をしながら歩き出した。
その様子を見て少女は少しだけ笑うと、また広間の出入り口の方を向いて歩き出した。
テトモンさんがまた長編書いてる! 最近こういうのをやってくれる人がなかなかいなかったから、これから楽しみです!
レスありがとうございます。
またとは言っても前に載せたものの改訂版みたいなものだし、正直最後まで話を持っていけるか怪しいんですよね…(笑)
ついでに気付いたらテスト2週間前を切っていたのでこれから投稿が止まる可能性もあるし…
まぁせいぜい頑張ってみます。