空の切り傷が鈍く光っている
痛いよね。
でもね、その傷を見ようとした人たちの顔は
自然と上を向いている。
その傷は絶対、無駄じゃないよ。
お帰り。
って、こっちのあなたに言ってなかったなと思って。
ふと言いたくなって。
おかえり。
今夜の月は私には切った爪の様に見えました。
あんな異形なのに皆から感嘆されるなんて、
流石地球唯一の衛星。きっと、見習うべきです。
ただいまって言葉がこんなにもあたたかいのは、
あなたが私を見落とさずにいてくれたから。
ただいま。
異形でも、
自分なりに輝いているから感嘆されるのだ、と。
私もそうありたいのです。