あの日の日付変更線が、私の心に居候している。
絵本がこつんと落っこちて、喚いたあの夜から
寂しさをたぶらかしたあの夜から
繋いだ電話、無言のままだったあの夜から
指先でゼリー掬ったあの夜から
壁と向き合って宥め合ったあの夜から
心が
心が、
こころが、
お前には分かってほしくねぇほど痛かった夜から
私は
何も変わっちゃいないんだと
線が告げている。
絶対に、と不安定な形容を添えて
「絶対に変わらないこと」を
敢えて変化と呼ばせて
あたかも特異であるかのような
そんな
狡い私が
未だ
あの何月何日かに取り残されている。