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緋い魔女(再掲) Act 18

「にしても、あの精霊が人工精霊かもしれないとは…」
「ま、あくまで仮定なのだけどね」
不安そうな顔をする屋敷の主人に、グレートヒェンはこう答える。
「どこかの敵対者が放った刺客かもしれないし、そうでもないかもしれないし」
そう付け足して、グレートヒェンはまたティーカップに口を付ける。
「別に今回の依頼は精霊退治なのだから、正体なんてどうでもいいんだけど」
出来るだけ、魔術師同士のいざこざには関わりたくないし、とグレートヒェンは笑ってティーカップをテーブルの上に置いた。
「まぁ明日もあることだし…今日はもう御暇させて頂くわ」
もっと領内の調査もしたいことだし…精霊を捕まえる罠も作らなきゃね、とグレートヒェンは言い終えて、ふと思い出したように屋敷の主人に尋ねる。
「そう言えば”アイツ”は?」
姿が見えないけれど…とグレートヒェンは辺りを見回す。
「あぁ、”ナハツェーラー”ですか」
屋敷の主人は静かに答えた。

  • 緋い魔女
  • やっぱり読みにくいかも…
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