「…で、話って何?」
そう言ってナツィは珍しくグレートヒェンの方に目を向ける。
その様子を見てから、グレートヒェンは用件を話し出した。
「まぁ作戦会議と言った所よ」
あの精霊をどう追い詰めるか、明日何をするか、とかね、とグレートヒェンは微笑む。
「とりあえず、今日の調査だけじゃ分からないことが多過ぎるから、明日も森や集落の調査をしようと思うの」
ある程度出てきた跡が残っていれば、現れる場所の法則性を掴めるし…と言って、グレートヒェンは話を止めた。
「…話、聞いてる?」
知らず知らずの内に俯いていたナツィは、びくっと顔を上げる。
「眠いの?」
グレートヒェンはそう尋ねながらナツィの顔を覗き込む。
当のナツィは気まずそうに視線を逸らした。
その姿を見て、グレートヒェンは静かに呟く。
「…”ナハツェーラー”は寝ないと身が持たない、か」
まさかとは思ってたけど、本当だったのね、とグレートヒェンは苦笑いする。