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緋い魔女 Act 22

ナツィはあんまり言うんじゃねぇ、と恥ずかしげに呟いた。
「…自分じゃどうしようもないんだし」
そう言ってその場に座り込んだ。
「そんなに気にする事かしら?」
グレートヒェンはそう言って首を傾げる。
「確かに、大抵の使い魔は人工精霊に物質の身体を与えたもので、魔力の供給さえあれば動くから、眠る必要はないし睡魔に襲われることもまずないけど…お前は特殊だものね」
流石は”ヴンダーリッヒ”の傑作品と、グレートヒェンは笑った。
ナツィは少し顔を上げてグレートヒェンを睨みつける。
「人間って皆そういうこと言うよな」
”ヴンダーリッヒ”の最高傑作だの、貴重品だの、とナツィは続ける。
「…本当に面倒臭い」
そう呟いてナツィは膝に顔を埋めた。
「…」
グレートヒェンは暫く足元の使い魔を黙って見つめていたが、不意にこう尋ねた。
「…人間は嫌い?」
「嫌いだよ」
ナツィはすぐさまそう答える。
「ずっとずっと…作ったアイツの手元にいた頃から」

  • 緋い魔女
  • ふと思ったけど
  • この話今年中に終わるかな?
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