流れ流れて着いた街は煌々としていた。まだ 行き交う人の群れは少ないが、どこか一口に 語ることのできない勢いがある。何をするか は特に決めていない。しかし先の街で貰った 新品の笠が導いてくれるはず。ただ此処の言 語が全く分からない。今まで何とか物々交換 で生計を立てていたが、その土台にあったの は言語だ。私の唯一の取り柄は多言語理解力 なのだ。ふと誰かにぶつかった。否、誰かと いうより、人外領域か。悪運が強い運命だ。