はじめましてと分かっていて声をかけるとは、とんだ不審者である。 そうわかってはいても、少女は助けを乞う以前に、何もかもが嫌になってしまっていたのだ。 だから、思いの外笑う彼に尋ねる。 「誰を探しているの?」