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緋い魔女 Act 26

「それでも断り続けていたのだけど、懲りない人が多くてね…」
グレートヒェンは苦笑する。
「最終的に実力行使に出る人達が出たりしたわ」
あれは本当に酷かった…とグレートヒェンは天井を見上げる。
「脅迫状はまだしも、突然連れ去られそうになった時は流石に参ったわ」
私と間違えて女きょうだいが攫われかけたこともあったわね…とグレートヒェンは呟いた。
グレートヒェンがそう言い終えると、ナツィはふと尋ねた。
「それで…結局お前はどうなったんだ?」
今はそうでもないみたいだけど、とナツィは聞く。
グレートヒェンは目線をナツィの方に向けて答えた。
「私を巡る騒動に耐えかねた私の家族は…私を家族から引き離すことにしたわ」
つい4、5年前の話よ、とグレートヒェンは続ける。
「私は遠くに住む親の知り合いに預けられることになったの」
もちろん、私の家族は私を捨てたって訳じゃないからね、とグレートヒェンは付け足す。
「家族を離れて1人、私は遠い遠い所で暮らすことになったってだけ」
娘と自分達を守るために…ね、とグレートヒェンは微笑んだ。

  • 緋い魔女
  • 大体10日ぶりでしょうか
  • 最近バタバタしちゃって投稿できてなかったの
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