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緋い魔女 Act 27

「まぁ、家族の内の誰かが私の事をよく思っていなくて、自分の傍から排除するためにこんな事をしたのかもしれないけどね」
そう笑った後、グレートヒェンは真顔に戻って話を続けた。
「…そういう訳で、いつしか私は人間をくだらないもの、どうしようもないものとして見るようになってしまった」
どうでも良い事にこだわって、どうでも良い事で大騒ぎする…とグレートヒェンは呆れたように言う。
「…そんな人達にとって、私の気持ちなんてどうでも良い事でしかならなかったのでしょうね」
そう言ってグレートヒェンは冷笑した。
「だから私は人間が嫌い…と言うか、あまり好きになれない」
そういう意味ではお前と同じようなものね、とグレートヒェンはナツィの方を向いて言った。
ナツィは、そうかい、とだけ答えた。
「…じゃあ、何でお雇い魔術師なんてやってるんだよ」
人間が嫌いとか言ってる癖に、とナツィは嫌みたらしく聞く。
それは…とグレートヒェンは面倒臭そうに口を開いた。
「そうでもしないと生きていけないからよ」
一応私も人間だしね、とグレートヒェンは答える。

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