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緋い魔女 Act 29

「ふーん」
グレートヒェンは何だか面白そうな顔をする。
そしておもむろにナツィに近寄った。
「ねぇ、”ナハツェーラー”」
珍しくグレートヒェンがフルネームで呼ぶからなのか、ナツィは微かに身じろぎした。
「いっそのこと、私と一緒に逃げてしまわない?」
グレートヒェンは不思議な笑みを浮かべながら続ける。
「同じ”人が嫌い”という者同士、人間達から逃げてしまいましょうよ」
2人であちこちを転々とね、と付け足しながらグレートヒェンはしゃがみ込む。
「もちろん、生きていくために多少は人間と接する必要があるのだけど」
ふふ、と笑ってグレートヒェンは続けた。
「それでも私達は決して誰かの物にはならないわ」
あ、お前は私の物になってしまうのだろうけど、とグレートヒェンは補足する。
「…さて、どうかしら?」
グレートヒェンは立ち上がりながら言った。
「お前…この誘いに乗らない?」
そう言ってグレートヒェンはナツィに手を差し伸べた。

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  • 気付けば30回目も目の前
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