ナツィはちらっと顔を上げる。
「…お前だって、ここから出たいから私を助けたりしたんでしょう?」
違うかしら?とグレートヒェンは首を傾げる。
ナツィは沈黙したままだ。
「…さぁどうする?」
手を取るのも取らないのも、全てお前の自由よ、とグレートヒェンは微笑んだ。
暫くの間、ナツィは考え込む様に床を見つめていたが、不意に顔を上げた。
そして躊躇いがちにグレートヒェンの手を取った。
「まぁ、ありがとうね」
そう言ってグレートヒェンはナツィの手をぐいと引っ張って立ち上がらせた。
「別に、必ずしも協力するとは限らないから」
ナツィは嫌そうにこぼす。
「まぁそんなのは分かってるわよ」
とりあえず応じてくれるだけでも嬉しいわ、とグレートヒェンはナツィの頭を撫でた。
「ちょっ」
気安く触るなとナツィは咄嗟にグレートヒェンの手を払う。
大人しくしていれば可愛いのに、とグレートヒェンは呟いた。