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緋い魔女 Act 34

そろそろ寝ないと、と思ったグレートヒェンは、ナツィにお休みを言おうとした。
しかし、何を思ったのか不意にこう言った。
「そう言えばお前…普段どこで寝てるの?」
まさかここじゃないだろうね、とグレートヒェンは尋ねる。
急にそう言われて、ナツィはハッとしたように顔を上げた。
「…ここで寝てるけど」
暫くの沈黙の後、ナツィはそう答えた。
「人気もないし、静かだから丁度良いし…」
こう答えるナツィを見て、グレートヒェンはふーんとだけ頷く。
「まぁいいわ…お休み」
グレートヒェンはそう言って書庫の出入り口の方へ向かおうとしたが、ふと足を止めた。
そしてくるりと振り向いた。
「…あ、折角なら私と寝る?」
「死んでも断る」
ナツィは間髪入れずにこう返した。
「そうする位なら死んだ方がマシだよ」
嫌そうな顔で言うナツィを見て、グレートヒェンはふふっと笑った。
「今のは冗談よ」
それじゃあ今度こそ、お休み、と小さく手を振ってグレートヒェンは書庫を後にした。
床に座ったままのナツィは、グレートヒェンが部屋から去る様子を見届けてから、ぱたっとその場に伏せった。
「何なんだか」
ナツィはそれだけ呟いて、目を閉じた。

  • 緋い魔女
  • 物語の終わりが近づいてきた…かも?
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